指導員つれづれ

★第125話「親バカであるということ」★


先日、目にした記事から・・・。

“いくつかの単語を少しずつ話し始めた一歳半のわが子。周囲の状況を察するのが上手とのことで「〇〇するよ」と保育園の先生に言われる前から準備していることがよくあるそうです。

保育士さんに「賢いですよね~」と言われてきたのを夫に報告したら、「そりゃそうやん、俺の息子やし!」と鼻をふくらませていました。

実は保育士さんに言われた時、私自身は「ええ?本当ですか?」と返してしまいました。

半信半疑ですし、褒められるとなぜか謙遜したくなる日本人の癖とでもいうのでしょうか。

思わず「いやでも、まだ全然話せてへんし・・・」と反論までしてしまったのです。

夫の態度を見て、悔しく思いながら反省しました。

「ああ、またやってしまった…」と。「わが子を褒められて内心嬉しかったら、デレデレした顔で”ありがとうございますー”と言えばよかった!」と後悔すると同時に、夫の「親バカ」ぶりを再確認しました。”


今まで多くのご家族と接してきましたが、いい意味で「親バカ」のお子さんほど、すくすく伸びている印象があります。

「うちの子、これが得意なんです!好きなんです!」と教えて下さったり、わが子が褒められたら、「あら嬉しいです。よかったね〇〇(名前)」とさらっと言える親御さんは、いつも笑顔ですし子どもも笑顔です。

反対に、褒められても「そんなことないですよ!」「うちでは〇〇なんですけどね~!」と、わが子の前できっぱりと否定してしまう親御さんの子どもは、どこか自信が持てない様子であったり、「どうせ僕/私なんて」「しんどい~」「もういやや~」などマイナス発言が出がちという印象がありますが、あまりに主観的すぎるでしょうか?(笑)

保育園に通っている間は、「可愛い♪可愛い♪」と育てることが出来、些細な成長も感動や喜びと共に受け止めることができていても、小学生になりテストが始まると、歴然とした点数による評価がつくようになった途端、子どものいい部分が見えなくなってしまった、という相談も過去に何度もありました。

学童期に育てておきたい「自己肯定感」について、異論を伺うことは、ほとんどありません。

しかし、コンプレックスや自信の無さを解消するために、何に気をつけ、何を心がけておられるのかを伺うこともまた、ほとんどありません。

ここで言う「親バカ」は、「わが子のいいところ、少しでも伸びたところに目が行く性質」「成長を一緒に喜んで楽しめる性質」と言い換えることができます。

比べるのが得意な親御さんは特徴として、「早い/遅い、もう/まだ、高い/低い、できる/できない」など二極化した評価をしがちです。

白か黒か、はっきりしている事は、お子さんにとっては、わかりやすく良いものと思われがちですが、はたしてそうでしょうか?

特に子どもは、グレーゾーンの生き物と言われています。

無理やり白黒はっきりさせることで、心のうちのモヤモヤは募り、微妙な心の動きは隅に追いやられていくのではないでしょうか?

受け止められない思いが増え、辛くなってしまうことはないでしょうか?

「わが子のいいところ、少しでも伸びたところに目が行く性質」「成長を一緒に喜んで楽しめる性質」は、生まれついての性質である部分も大いにあるでしょうが、「わが子のため」に「努力して体得する」ことも可能であると思います。

敢えて言うなら、子どもには努力を強いることが多い大人こそ、「自分は自分だから」「変わらないから」と、開き直らず、そこは努力して体得してほしいとも思うのです。

わらべ学童では、その材料を提供するために、毎日の子どもの様子や変化を親御さんとの交換日記と位置づけた「連絡帳」でお知らせし、毎月会員の会で「子どもの様子」と題して、口頭で親御さんに報告しています。

「連絡帳」や年度末にお渡しする「子どもの様子」のまとめを「わが子の成長記録」として活用してくださっているご家庭も多くあります。

学年が上がるにつれて、フェードアウトすることの多い「連絡帳」ではありますが、どうか「こんな些細な事は書かなくても…」と思わずに、ぜひご自宅での様子や変化を私たち職員に教えていただけるとありがたいです。

認め、褒め、喜び、時には叱り、鍛え、共に成長していく「親バカ」の気持ちで、わらべの子達全員の健やかな成長を目指したいと考えています。

by Sarusen

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