指導員つれづれ

☆第21話「今年は違うで♪」☆


今年も恒例のリーダーズキャンプが終わりました。

サマーキャンプの本番へ向けて力試しをし、自立への一歩を踏み出そう・・・そんな目標で取り組む、3年生以上が参加可能なイベントです。

今回は、33名全員が参加して、1日目のプログラムがスタートしました。

自分勝手な行動やスタンドプレーをすれば、容赦なく「1ペナ」がつき、「10ペナになったら即帰り」のルールに、子ども達は戦々恐々としながら、緊張感のある時間が過ぎていきます。

しかし、今年は少し状況が違う・・・昼食を作り終えたあたりで、指導員は気づきました。

指導員が子ども達に求めていることが、明らかにレベルが高いのです。

もちろん無理難題を押し付けているのではなく、状況を見ながら指導しているのですが、子ども達のレベルが上がり、今まで5・6年生に求めていた事を、気がつくと4年生に求めていたりするのです。

それは、人数の少ない5・6年生に指示を受けながら、4年生が見違えるように動いていたからなのでした。

3年生への働きかけもとても的確で、それぞれが真剣に、「考えながら動いている」ことが感じられます。

「気をつけないと、指導のつもりが、ただのイケズになりますね・・・(苦笑)」職員が、そんな確認をしなおすほどの動きで、子ども達が「今年は一味違うで〜♪」とアピールしてきているようでした。

工作の時間には、「焼き板」に取り組みました。

かまどで焼いた杉の板を磨いて、思い思いにペンでデコレーションを描いていきます。

5年生の男の子は、「リーダーズキャンプ さいこう」と描きました。

大騒ぎしながら楽しい夕食が終わり、入浴後、夜のミーティングで一日の締めくくりです。

プログラムは1時間半も遅れたけど、全員で良かったところや反省点を話し合います。

思った事を話すのにまだ不慣れな3年生は、しどろもどろになったり、引きつったり、泣き出したりしましたが、上の子達はそのフォローもしながら、6年生を中心に楽しい雰囲気で話しを進めます。

4年生の子は、頑張っていた3年生の姿を「上の子の指示をよく聞いて、素早く動いとった。」と、評価していました。

中には、残ってしまった材料も気にして、「食材を少なめにして、道具を増やした方が、早く調理できる」と気づきを話し、指導員を唸らせてくれる子もいました。

5年生の子は、最もペナルティが多かった3年生の名前を挙げて、「声をかけた瞬間、出てきて手伝っていたのは、すごく良かった」と、しっかりと救い上げてくれました。

6年生の子は、「少し気をつければ、しょうもないミスはしなくなる。時間が遅れたり、忘れ物があったりするのは、しかたないとしても、しょうもないミスは減らせるんやから、もっと頑張りたい」と、まとめて話してくれました。

最後に話す指導員は、困り果ててしまいました。

子ども達の中で話し合われた事に、何か加える必要があるのだろうかと、一瞬躊躇するほどの内容だったのです。

若い職員が、言葉を選びながら必死で話した後、子ども達が拍手してくれた場面がありました。

「拍手はヘンやって・・・」と言いましたが、一日頑張りきった子ども達には、「センセ達も頑張っとったで♪」と、何か頑張りに対しての優しさが感じられ、参加者全員に「お疲れさま〜」と互いに労をねぎらう気持ちが生まれたように思いました。

「まいったなぁ・・・」

はじまる前に子ども達には、「33個の脳みそと、4個の脳みそ(職員分)の知恵比べやで!」と話しました。

子ども達の力試しのために、たくさんの落とし穴や罠を用意して、みんなで考えて乗り越える事を求めてきました。

「負けた気はしないけど、快勝した気もしない・・・」これが率直な感想でした。

翌日の朝は、どしゃ降りでした。

数年前なら雨を見ただけで、テンションが下がっていた子ども達が、合羽を着てめまぐるしく動き回り、ほぼ時間通りに朝食を作り上げていました。

「やるじゃん!」そう思ったのですが、これは、過去のリーダーズキャンプでは思ったことのない感想でした。(笑)

楽しんで、やりきって、充実感と達成感、その子なりの成長と若干の睡眠不足を手土産に、全員が帰路につきました。

どうやら「いろんな事に挑戦していける!」というキップを手にして、「慎重で、思いきった事はやらないが、かなり生意気」という総合評価をもひっくり返し、初めて「作文に書きたい!」と、自分達から希望まで出して、意気揚々と帰っていきました。

「みんな成長しましたね〜」「リーダーズキャンプよかったね〜」そんな話をしながら、後片付けをしました。

またしても、子ども達の成長を目の当たりにさせてもらい、それを励みに、夏を迎え撃つ準備をしていこうと思う指導員でした。

お休みにもかかわらず、ご協力していただいた保護者の皆さん、ありがとうございました。 by さるせん

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