指導員つれづれ

☆第22話「1年生が変化してきました!」☆


*ホームページを閉鎖していたため、掲載できなかった幻の(?)22話をお披露目します。

夏休み明けの話題ですが、遠い昔のことのようです・・・。


夏休みに入って、すぐに「サマーキャンプ07」の準備が本格的に始まりました。

今年も、保護者の皆さんのご理解とご協力を得て、さらに卒業生の組織Warabe Reunion(リユニオン)も、全面的にバックアップしてくれる中、昨年同様、3年生以上は3泊4日、1・2年生は2泊3日の行程で、実施する事ができました。

ほぼ全員の子ども達が参加しましたが、1・2年生は過去最高の約40名が参加し、一番の目的である、たくさんの「本物体験」をしました。

1年生の子ども達は、学童のキャンプの経験がないのはもちろん、学童児の中では最も体力がなく、持ち物の管理能力もない…のが現実なのですが、キャンプでの団体行動を通じて、だんだんと様子が変わっていくのが見られました。

1・2年生の初日、3年生以上の子ども達に出迎えられて嬉しそうにキャンプ場入りし、いよいよキャンプのプログラムが始まります。

キャンプでよくある場面の一つが、「集合⇒指示⇒移動⇒再集合」という一連の動きですが、初日はこれが、まったくうまく行きません。

ようやく集った時に、準備ができていない1年生がテントに戻ったり、集合しかけた時に「やっぱりトイレ…」と言い出す子がいたりして、とにかく周囲は振り回されます。

はじめは、大人よりはるかに気長に待ってあげれていた上の子達ですが、次第に特定の子によって、自分たちの集合が遅れていることに気づき始めます。

それがストレスとなり、「早くしようや!」と、語気が強くなってしまったり、表情に「もう!うんざり!」とはっきりと表れたりします。

指導員はここまで待って、ようやく「こうしてみたら?」「○○ちゃんは、こういう理由で遅れてしまうんちゃうかな?」とアドバイスしていきます。

なんで待つのか?…それは、キャンプに来て、楽しみたくない子や頑張ってない子は一人もいないからです。

その差が経験から来るのであれば、みんなの力で補えるはずだと思うからです。

「××もそんな1年生やったやん♪」なんて言いながら、みんなで少し余裕をもって接する事ができるように働きかけていきます。

だからといって、行動が遅い子はやっぱり遅いし、急に改善などできるはずはありません。

でも、空気がギスギスすることはもうありません。

「ま、ギャーギャー言うてもしょうがないか…」と、その子を待ってあげれたり、「一人サポートについたら早くできるようになるかも…」と工夫したりするようになります。

1年生も、そんな配慮のおかげもあって、ちょっとずつ、少しずつみんなの行動にテンポが合うようになってくるのです。

最終日は、そんな班活動の「集大成」と位置付けているオリエンテーリングがあります。

各班で協力して、キャンプ場内に隠された問題を探し出し、過去に一度も全問正解の班はないという難問に挑戦します。

正解ポイントの他に、協力ポイント、制限時間内ポイントなどが加算され、12の班で順位を競うのです。

他の班にバレないように、キャンプ場内に隠された問題を探し出しながら、頭を寄せ合って問題を解いている姿は、とてもほほえましくもあり、また頼もしく感じる事もあります。

「協力という漢字には、力という漢字が4つも入っています。力を合わせることが協力なんです。」と、かなり大振りなメッセージもしましたが、キャンプ場だからこそ、ストンと胸に落ちた様子。

文字通り、各班協力し合いながら、全問正解を目指して、下の子を気遣いながら約40分間キャンプ場を駆け回るのです。

そこには、初日のグダグダ感が嘘のように、しっかりと「班行動」する子ども達の姿がありました。

団体行動や集団活動が、個を打ち消し、枠組みの中に取り込もうというものであったり、リーダーや指導者の都合であっては、子ども達は反発して当然ですし、到底「和」や「輪」は生まれてこないように思います。

しかし、子ども達にとって、1つの目的を目指して周囲と歩調を合わせる「協調性」や「社会性」もまた、身につけておくべき力ではないでしょうか?

キャンプを経て、「早く公園で遊ぼう!」とか「早くプールで遊ぼうやぁ♪」などなど、様々な場面で小さい1つの目標を目指して、「協力」する1年生の姿が見られるようになりました。

まだまだ「自己中心的」で当たり前の1年生ですが、そんな姿を見ながら、ちょっとずつ「協調性」や「社会性」が身についてきたことを感じる指導員です。 by さるせん

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