指導員つれづれ

☆第28話「ルーツをたどる」☆


近頃、幼児さん・・・と言っても1歳〜1歳半くらいのおチビさんに、ふれる機会が増えました。

日頃は、そのイカつい風体から、小さい子を怯えさせることも多い私ではありますが(苦笑)、この不思議な生物(そう見えて仕方ないのです・・・)には、とても興味をひかれてしまいます。

おチビさん達は、学童の子の弟や妹、OB・OGの娘や息子であったりする訳ですが、その行動は、思わず見とれてしまうくらいの可愛さがあり、ついついジーっと、見入ってしまいました。

小さい手足、くるくると好奇心のままに動く瞳、たどたどしい歩き方、何かを見つけて伝えようとする表情、笑顔・・・どれをとっても、本当に「かわいい♪」の、一言に尽きますね。

学童の子ども達も、どうやら同じような気持ちになるようで、かまってあげたいけど、どうしたらいいかよくわからないので、とにかくついて回って、ガヤガヤとその行動を見守っているのでした。

しかし、おチビさんにしてみれば、自分が何かする度に、20人くらいの大きい子(おチビさん目線で見れば・・・です)がゾロゾロついて回るのですから、だんだん煩わしくなり、「きーっっ!」っと怒り出すのですが、怒られた方が「うわ〜怒ってるぅ〜♪かわいいなぁ〜♪」と、喜んでしまっているので、「おいおい、それは違うやろ〜」と、こちらも苦笑せざるを得ません。

また、おチビさんが訪ねてきた日は、なんだか室内の空気が優しくなり、こぜり合いさえ起きなかったのも印象的でした。

先日、昨年結婚したOGから「ご懐妊」の連絡がありました。(笑)

体調が不安定で、Reunionの成人式に行けそうもない・・・という話(そらそうやろ!怒)だったのですが、京都で保育士をしている彼女から、とても興味深い話を聞きました。

彼女が担任しているのは3歳児さん。

まだまだ、たくさん甘えたくて、先生に抱きついたりよじ登ったりするのが、フツーの3歳児達が、おなかの赤ちゃんを気遣ってくれるというのです。

お昼寝の時、「せんせいのあかちゃんも、ねてるの?」と聞いてみたり、毎日「なつになったら、せんせいのあかちゃんがくるねんで〜♪」と、ぬいぐるみを使って、お昼寝をさせる練習をする子もいるとのこと・・・。

「その変化がすごいねん!」と聞いて、「わらべの子も園の子も、小さい子に関わりながら、自分のルーツをたどっているのかもしれないね〜」と、話しました。

たくさんの喜びや、たくさんの愛情に囲まれ、成長してきた子ども達は、誰に教えられたわけでもなく、自分のルーツをたどるように、小さい子へ愛情を注ぐのではないかと思えたのです。

だからこそ、かもし出す空気が室内の雰囲気をほんわかしたものに変えていたのではないかと思うのです。

小さい子とふれ合える環境があり、素直で純粋に愛情をそそいでいる子ども達を見て、なんだかホッとしました。

世の中に影を落とす悲しい「虐待」のニュース。

人からの「愛情」に包まれてこそ、身につけることができる、人への「愛情」なのに、その連鎖を断ち切ってしまっては、悪い影響がないはずはありません。

「這えば立て 立てば歩めの 親心」

そう、生まれてすぐ、夜泣きに苦しみながらも、慣れない子育てに四苦八苦しながらも、不安を抱えながらも、やれ笑った、やれしゃべった・・・と喜び、愛情を注いできた子ども達。

そんな、この世に生を受けて、わずか6〜12年あまりの子ども達に対して、私たちもよく気をつけて、苦言とエゴばかりを注ぐことがないようにしたいものです。

時には、お子さんと一緒に、アルバムをめくりながら、「この時はねぇ・・・」なんて、思い出話をするのもよいかもしれません。

そのルーツをたどることでまた、「自分は大切な、愛されている存在なんだ」と、感じることができたなら・・・子ども達にとって、こんな元気の出ることはないと思うのです。 by さるせん

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