指導員つれづれ

☆第47話「心をこめて」☆


その晴れがましい舞台が整うにつれ、指導員は「いややわ〜」「やりたくないわ〜」と、段々テンションが下がってしまいました。

手前味噌ながら、イベントでも日常の保育でも、常にモチベーションが高いウチの職員達なのですが、どうしても卒業生を送り出す卒所式だけは、しっかり送り出してあげたい義務感に駆られながら・・・、またやりたくない気持ちを押さえながら・・・になってしまうのです。

新しい6年生は、卒業生と一緒に過ごした5年間を振り返りながら、共に過ごした時間や思い出に比例して、思い入れが強くなり、一方では「来年は自分の番なんだ」と、まだまだ先だと思っていた「自分たちの卒所」が、案外近い所にあることを実感して、ちょっと戸惑いを覚えつつ・・・そんな心境が、行動の端々に垣間見えました。

「共に過ごした」と書くと、さらりとさわやかなイメージかもしれませんが、わらべ学童での「共に過ごした」は、どろりと濃いものです。(笑)

卒所生の3名は、その繊細さから、上の子達にすごく大切に大切に育てられてきた学年でもありました。

当然下の子に対しては、「体の半分が優しさで出来ている(笑)」と評される接し方になってきますが、すぐ下の学年はと言うと、甘え上手で、調子に乗りすぎる傾向をもっているのですから大変です。

暴走気味の子を制しながら、甘えてくる子にかまいながら、一緒に笑って、一緒に泣いて、時には一緒に怒られてヘコんで・・・を毎日繰り返してきたのです。

新6年生と卒所生が、互いにたくさん助け合い、たくさん励まし合い、たくさん慰め合い、たくさん鍛え合い、たくさん共感し合いながら、歩いてきた月日を思い出したのか、涙ぐむ子もいました。

毎年、子ども達の合唱の後、一人ずつ又はペアを作って、卒所生に言葉を贈ります。

ボキャブラリーの少なさから、だいたい学年や男女で、同じような言葉が並ぶのですが、今回その言葉がちゃんと順に送られていることに気付きました。

それぞれの学年に応じて、拙い言葉に精一杯の心をこめて、マイクを持たされて少し照れながら話す姿に、涙された保護者の方々も多かったように思います。

そんな下の子の様子を見守る卒業生のまなざしが、これまた素晴らしく、心がポッと暖かくなるような式は、静かに幕を下ろしました。

準備をしてくださった実行委員さんをはじめ保護者の皆さん、駆けつけてくれたReunionの皆さん、本当にありがとうございました。 by.Sarusen

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