指導員つれづれ

☆第49話「パニック」☆


運動会が雨のため、短縮プログラムで開催され、ホッとした月曜日、けたたましく電話が鳴りました。

大阪市内の全小学校で新型インフルエンザのために休校措置がとられる・・・という一報でした。

昼食後に下校ということでしたが、当然のことながら、親御さんたちは既にお仕事に行かれている時間帯です。

各小学校から開所の確認が入った後、3分おきに保護者の皆さんから「わらべは開いていますか?」と、連絡が入りました。

急に「子どもを下校させます」と言われたのですから、そうなるのも当然です。

すぐに各職員に連絡を取り、対応を協議しました。

手洗いやうがいを確実にしてもらうため、1名は台所に常駐すること。

とにかく近隣の薬局やホームセンターうあスーパーをくまなく探して、子ども達の人数分のマスクを確保すること。

屋外に出さないようするとともに、習い事の変更などにしっかりと対応すること。

ミスはあちこちでありましたが、おかげさまで「所在不明」の子どもは一人もいませんでした。

ただ、マスクだけは、どこにも売っていませんでした。

聞くと、日曜日にはすでに売り切れの状態だったそうです。

通販の会社に問い合わせましたが、マスクは「受注不能」とのこと。

親御さんのご協力や、職員の実家にも連絡し、なんとか数百枚は確保しましたが、スーパーでは、子ども達を家の中に留めておくために、カップラーメンやレトルト食品をかごに満載したお母さん方が目立ったとか。

家の中だけの生活は、子ども達にも、大きなストレスとなったことでしょう。

保育所は開所されているのに、学童保育所には閉所の要請が来たことに、疑問や不満を訴える声もありましたが、話し合いの結果、施設を休校の期間閉所することになりました。

わらべ学童はじまって以来の出来事に、戸惑われた方も多かったことと思います。

テレビでは、「感染力は強いが毒性は弱い」等という新型インフルエンザの情報が、毎日報道され、保護者の皆さんも、少しずつ状況が呑み込めてきたようでした。

幸い、今日までに感染した子どもも保護者もいませんでしたが、行政や学校の対応に疑問を呈す前に、これを教訓に、しっかりと対策を考える好機にしたいと考えています。

今後、「感染力が強く、毒性も強い」恐ろしいウィルスが、現れない保証はどこにもないのです。

学校に通い始めた子ども達も、少し時間がたてば落ち着くでしょうが、「子ども達の安全を守る」わらべ学童では、のど元を過ぎて、熱さを忘れてはいけない・・・そう思った出来事でした。 by.Sarusen

バックナンバーへ戻る
HOMEわらべ学童とは入所のご案内指導員のご紹介指導員つれづれわらべ活動記録よくあるご質問アクセスお問い合わせページトップへ