指導員つれづれ

☆第5話「一生の思い出」☆


ぞう列車の取り組みは、楽しいばかりではありません。

「公園で遊びたい」をはじめとする「○○したい」という要求や欲求を少し横において、「さぁ歌おう!」の気持ちにならなければなりません。

また、全力で歌を歌うと、思っている以上に体力を使います。

夏休みも後半に入り、遊び疲れ始めたところでスタートする秋へ向けての取り組みは、なかなか大変です。

20周年の劇中、組曲の中から1曲だけ現役学童児と共に、OB・OGも久しぶりにぞう列車を歌いました。

「歌詞は忘れへんもんやなぁ〜」「懐かしくてウルウルしたわぁ♪」「一緒にいろんなこと思い出したわ」という感想が聞かれていました。

「結構その時はしんどかったけど、一生の思い出なんやなぁ」と話す子もいました。

指導員の記憶でも、子ども達にとっても、当時の練習は大変「過酷」なものでした。

城東区・鶴見区の学童全部が取り組むとあって、苦労して確保した練習場所、そこまでの移動にはじまり、多人数が集ったために効かなくなるエアコン。

汗が絶えず流れる中で、練習中にしんどくなってしまう子もちらほら・・・という状況でした。

施設内での練習も、隣近所に迷惑がかかるといけないので思い切りはできませんでした。

それでも本番のステージでの、スポットライトを浴びながらの大合唱は、拍手喝采を受けると同時に、心の中に大きな喜びと感動、そして思い出を残してきました。

先日の帰りの会で子ども達に話した時も、そんな思いがあったので、ついつい熱が入りました。

「みんなは、このぞう列車の取り組みを通して、一生の思い出を手に入れようとしています。」と、20周年でのOB・OGたちの声を含めて話をしました。

「少ししんどい場面もあるかもしれんけど、それを乗り越えた時に手に入る思い出は、間違いなく一生モンやで!」

楽しいこともしんどいことも含めて残る一生の思い出・・・。

うんうん、なんか『ホンモノ』の匂いがしています。(笑)

そして、みんなで声を合わせて歌うだけでなく、同じ時間や心境を共有していること、また歴史を共有することなど、ついてくる付加価値も多大です。

わらべの子ども達は、日に日に歌詞を自分達のものにし、時代を超えて、当時の子ども達に思いを寄せることができるようになってきました。

動物園に象が来た場面では、喜びを弾けさせ自然と全身でリズムを取りながら歌っています。

心を込めて歌う場面では、とても優しい表情になっていました。

10月の本番に向けて、子ども達の平和への祈りを乗せたぞう列車・・・「出発進行!」です。 by さるせん

バックナンバーへ戻る
HOMEわらべ学童とは入所のご案内指導員のご紹介指導員つれづれわらべ活動記録よくあるご質問アクセスお問い合わせページトップへ