☆第50話「感謝をこめて」☆
このたび「指導員つれづれ」が、第50話を迎えました。
振り返れば、多くの皆さんに、ご協力とご支援をいただいての50話でした。
大きな感謝を込めて、また、今後ともご指導ご鞭撻を賜りますよう、お願い申しあげます。
実は6月1日は、何かと思い入れがある日です。
20年前の6月1日、私はわらべ学童の指導員になりました。
当時の夢であった「教員になるための練習・・・」そんな安易な思いは、保護者の皆さんの子育てにかける情熱やパワー、何よりもお子さんに注ぐ愛情の大きさの前に、吹き飛ばされ、粉々になって行きました。
学生気分がなかなか抜けない若造を、時には厳しく、時には優しく、しっかりとサポートして下さり、10年、15年、20年と長きに渡って、支え続けて下さった皆さんには、ひたすら感謝したい気持ちでいっぱいです。
昨年の6月1日、陰になり日向になり、わらべ学童を支えて下さったお父さんが亡くなりました。
剣道とスキーとアウトドア・・・そしてビールをこよなく愛し、学童の子どもたちを愛し、わらべに、たくさんの愛情を注いでくださいました。
当時、公民館に寝泊まりするのをサマーキャンプと称していましたが、ある時「さるせん・・・これは旅行やで。キャンプちゃうで・・・」と、キャンプの醍醐味を指導員と保護者の皆さんに熱く熱く語り、「もっと自然の中へ、子ども達を連れ出そう!」「都会っ子なんて呼ばれない逞しさを身につけさせよう」を合言葉に、時間と労力も惜しまずにかけて、現在の形態の「キャンプ」へ移行する、その基礎を育ててくださいました。
今思えば、お父さんたちと議論しながら、「子どもを真ん中に据える事」がどんなに大変で手間暇がかかり、そしてどんなに値打のあることかを、しっかりと教え込んで頂いたのだな・・・そう思います。
御通夜の夜、当時のお父さん方がたくさんやってきて、棺の前で、「さぁ!一緒に飲もう!」と、酒盛りを始める場面がありました。
仲間が一人亡くなった寂しさを、思い出話で埋めながら、代わるがわる遺影に語りかける姿に、保護者の仲間意識の素晴らしさを感じずにはおれませんでした。
わらべに出合い、わらべに育てられ、指導員としての「成人」を迎えました。
先のことは、まだまだ未知数でよくわかりませんが、今を大切に、さらに「一人前」を目指して、初心を忘れずに歩んで行きたいと思います。
「わらべ」は私の大きな誇りです。 by.Sarusen
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