指導員つれづれ

★第64話「放課後という貴重な時間」★


新年あけまして、おめでとうございます。今年もよろしくお願いいたします。


師走も半ばを過ぎた頃、児童や生徒の暴力行為がここ3年で7割も増加し、6万件にのぼったという文科省の調査結果を伝える記事が、毒々しく目に飛び込んできました。

「校内暴力」とは、私が中学生の頃、盛んに目にしていた言葉ですが、それすら上回る勢いにたじろぎながら、学童の子ども達の様子と照らし合わせ、正直「ウッソ〜・・・」と思ってしまうくらい、実感がない記事でした。

その背景にあるものとして、人間力やコミュニケーション能力の低下、表現力の欠如、会話の不足、問題に対応しきれずパニックになって・・・などなど、様々な要因が挙げられていました。

様々な要因があるという事は、解消する方法も数々ある事と思います。ただ、その根底にあるイライラ感は、「忙しさ」から来ている気がしてなりません。

忙しさから文句が増え、事故が増え・・・、他人のせわしさが伝染するかのように、なんか世の中がイライラして見えた師走。

「忙しい」とは「心を亡くす」と書くように、人間らしい心の営みやゆとりをなくしていく事のように思えます。

大人は余暇を楽しむ事や趣味を謳歌することで切り替えることもできるでしょうし、自らゆとりを持つように配慮することも可能でしょうが、子ども達が同じように、調整機能を持ち合せているとはなかなか思えません。

放課後の時間に、遊びに熱中し、その日の気持ちを切り替え、友情を紡ぎ、自分の居場所を確認してきた私たちより、遥かに時間の融通が利かない、忙しい子ども達が増えています。

子ども達の健全な成長に不可欠とされる、「3つの間(時間・空間・仲間)」のうち、時間がないことが空間も仲間も奪っていることこそ、6万件という信じがたい数字の背景に潜んでいるように思います。

今後ますます、「どのような放課後を過ごすか・・・」が、その子の人生に大きな影響を与えるようになるのではないかと思います。

素直に「楽しい〜!!」と思える時間を求める声が、6万件から聞こえてきそうな気がしてなりません。

2010年は「どのように時間を使うか」を、子ども達としっかり考えていきたいと思います。

by.Sarusen

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